神明建築工房

2月19日5 分

ハイキューの魅力

ハイキュー!!という作品をご存知でしょうか。

この作品は週刊少年ジャンプで連載していたバレーボール漫画です。

2020年に堂々完結し連載は終了しているのですが、未だファンが多くまだまた盛り上がっています。

ハイキュー!!はバレーボールという身長が物を言う競技を

題材とした作品ですが、主人公の男の子は162cmしかありません。

リベロという守備専門のポジションは低い位置のボールを取ることから

低身長の選手が多いのですが、主人公のポジションはなんと

ミドルブロッカー。

ブロッカーとはその名の通り、敵のスパイクをブロックする

ポジションです。

点を決めるには相手が触れられない位置からの強いスパイクが有効。

だからスパイカーも背の高い選手が有利なのですが、ブロッカーである

主人公の身長は……。

勿論、主人公自身も周りも身長が重要だということは理解しています。

しかし主人公は言います。

「俺は飛べる」

主人公は幼少期にテレビで見た『小さな巨人』に憧れ、バレーボールを始めました。

小さな巨人とは低い身長で鳥のように高く羽ばたき、スパイクを

決めるエース。

そんな彼のようになりたいと、主人公は努力を重ねて『小さな巨人』

同じ烏野高校に入学しました。

さてこの作品。

他のスポーツ漫画と同じくチームの仲間と切磋琢磨練習に励み強豪校と

戦うのですが、もちろんずっと主人公のチームが勝ち続ける訳ではなく、敗北も味わいます。

この『敗北』の描き方がとても上手いのが、ハイキュー!!

という作品なのです。

まず物語は主人公の中学最後の試合から始まります。

主人公の中学に男子バレーボール部は存在せず、他の部活の友達に手伝ってもらいながら練習を続け、三年生になって一年生が入部してくれたことで、友達にも助っ人で入ってもらって初めて公式試合に出ることが出来ました。

初めての大きな体育館での公式試合。

主人公は「エアーサロンパスの匂い!」と興奮していましたが、第一試合の相手が優勝候補の学校だったため他の部員は萎縮してしまいます。

自分たちよりも背が大きく、力も強くて、圧倒的にバレーが上手い

敵のチーム。

そんな彼らは弱小チームの主人公たちに全力を出すことをしません。

しかし、それに対し怒号を飛ばす選手がいました。

主人公のホームランのようなオーバー気味のスパイクにブロックで

ワンタッチしてしまったため、拾わなければ点を取られるというシーンで敵チームは「これは取れないな」と判断し最後まで追いません。

それに敵チームの一人が「最後まで追えよ」と怒気を含んだ声を

かけました。

彼はコート上の王様と呼ばれる凄腕セッター。

実力はあるがワンマン気味でチームメイトと上手く連携出来ていない

王様は、「でもこの一点で点がひっくり返るわけでもないし……」と言い訳されて「今の一点は奇跡じゃない。取られたんだ、アイツに点を!」と怒鳴りました。

誰も警戒していない初心者チームに対して、王様だけが本気で戦っていました。

主人公たちは必死に食らいつきます。

助っ人で来てもらったサッカー部の友達は足でボールを拾い、一足先にバスケ部を引退した友達は何とかトスを上げ、三年間一人で練習を

重ねた主人公はスパイクを打ちます。

しかし、身長や、指導してくれるコーチに恵まれ、

主人公と同じ・もしくはそれ以上の練習を積んできた選手たちには

敵いませんでした。

主人公のチームはストレート負け。

初めての公式試合は一回戦敗退となりました。

コートに立っていられるのは勝った者のみです。

負けた主人公は、大好きなコートから退かなくてはいけません。

悔しい、苦しいという顔の主人公を見つめるのは、勝ったのに何故だか

悔しそうな顔をしている『王様』でした。

王様は高い運動能力・反射・自分の体を操るセンス・そして勝利への執着を持った主人公に瞠目しながらも、「お前は三年間、何やってたんだ」と怒りをぶつけます。

ボールを落としてはいけない・連続でボールに触ってはいけない競技の

バレーボールは一人では出来ません。

主人公がどれだけ練習しても、高く飛べても、一人だと勝つことが

出来ないのです。

このように第一話で主人公の初の試合・初の敗北が描かれ、たった一話なのにすごく引き込まれる構成となっています。

 

そして二話では主人公が高校に入りバレーボール部にワクワクしながら

入部するのですが、なんとそこには、あの『コート上の王様』が!

初めて戦った相手が今度は仲間になる熱い展開なのですが、すぐに仲良くなれる二人ではなく、しかし確実に『チーム』になっていきます。

主人公が入学した烏野高校は昔は強豪と呼ばれていたのですが、

今ではあまり結果を残せていなく、そのことから他校に

「落ちた強豪、飛べない烏」と嘲笑されることも。

そんな烏野高校、因縁のライバル校があり、

そちらの名前は音駒(ねこま)高校。

つまり、猫です。

烏と猫、両者の戦いをゴミ捨て場の決戦と呼びこの二校の戦いを楽しみにしている者もいるのですが、公式戦で勝ち残ることが少なくなって、

ついに両校が戦うことはなくなってしまっていたのですが……。

色々な問題を片付けてやっと漕ぎ着けた烏と猫の練習試合、

猫の選手が主人公に言いました。

「やろう、〝もう1回〟がない試合」

練習試合は何度だって繰り返すことが出来ます。

ブロックの飛びすぎで膝を痛めても、思考をめぐら過ぎて糖分が不足してきても、負けて悔しい思いをしても、やり直すことが出来ます。

けれど公式戦で『もう1回』はありません。

負けたらそこで終わりなのです。

だからこそ、最高のライバルと戦ってみたいのです。

烏野高校も音駒高校も、負けたくない、少しでも長く大好きなバレーを

していたい、と止まることなく練習してきました。

しかし、戦えば必ずどちらかが負けてしまいます。

敗北から何かを得ることが出来た選手をたくさん描いてきた作品で、

主人公にとって思い入れのあるライバル校との試合。

それが2024年02月16日にアニメ映画として上映が開始!!

部活と書いてせいしゅんと読む最高のスポーツ作品、

アニメは各種配信サイトでも視聴出来るのでバレーボールをしていた人、部活動をしていた人、そうじゃないけどなんかキラキラした青春ドラマが見てみたい人は是非ご覧ください!!

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